◇ 2016/4/24(日) 5区補選、12,325票差で惜敗!

残念な結果でした。

でも、一緒に頑張った仲間との『残念会』は大盛り上がり。

「選挙運動なんて初めてだったけど、とっても楽しかった」

「仲間が出来て嬉しい」

「今回は練習、これからこれから」

「次は絶対にイケマキを国会に送るぞ!」

 ついには

「イケマキを総理に!」の声まで・・・

素人・市民集団、ますます元気です。


5/13(金) 

「市民の風」と仲間たちによる道5区補選の総括会

 

 喧々諤々、皆さん「しゃべる」「しゃべる」「しゃべる」・・・

 熱は冷めない- さあ、本戦(本選)だ!

 

朝も晩も寝る間も惜しんで「私の選挙だ!」と、必死になって、一緒に闘ってくださった皆さん、

心の底から本気で応援いただいた全国の皆さん、

想いや願いを込めて投じてくださった皆さん、

本当にありがとうございました。

結果は、力及ばず、本当に申し訳ありません。

本当に、悔しくて、悔しくてなりません。

 

この1票1票には、私たち市民の想いがいっぱい詰まっています。

 誰ひとりおいてきぼりにしない、すべての人が「安心」できる社会をつくるため、「夢をもっていいんだ」、「みんな、チャレンジできるんだ」ということを私、池田まきが挑戦することで、「生きる希望」に叶えたい、その強い想いでこの選挙戦、どんな理不尽な力にも負けず闘ってきました。

「見えない生きにくさ」という社会の課題も顕著になったと思います。

この課題については、権利を擁護する福祉の専門家として、必ず、みんなが夢や希望が持てる社会へ、道をきり拓いていきます。

 

また、今回の選挙は、市民が主体的に参加し、そして動いた、初めての市民選挙でもありました。

市民ひとり一人の力は小さいかもしれないけど、みんなが動き、つながれば、必ず何か変わるという、大きな、大きな、はじめの一歩になったと思います。

 

このことをすべての市民の「勇気」にしたい。

そして、日本にいるすべての人の「希望」に変えたいと思います。

本当に皆さん、ありがとうございました。

 

池田真紀はあきらめません。

諍いのない、争いのない、暴力・武力・権力に怯えることのない、すべての人が「安心」して「あたりまえ」に生きていける「平和」な社会を。

一市民として、一ソーシャルワーカーとして、池田真紀として、私に託していただいた願いや想いを実現する道を見つけていきます。

 

また、このことは新しい政治へのスタートラインでもあり、この出発点を大事にして、皆さんの想い、大切な財産を政治にも反映していきます。

 

ありがとうございました。

 

無所属新人 池田まき 123,517票  投票率 57,63%

 



 ※2016/1/31から

 市民行動で配布したビラ (青色は「市民の風」作成)

 

・1000人委員会パンフ              15,000枚

・選挙に行こうビラ                 50,000枚

・3.5厚別区民センター集会ビラ(ほっかい新報版) 30,000枚

・民主党機関紙号外(3/5付)            22,000枚

          〃       追加         10,000枚

・社会新報号外                  40,000枚

                (※内社民党配布  10,000枚) 

・民主党機関紙号外(3/18、3/28)        8,000枚

    -----------------------------------------------------------------

    計(市民行動での配布)          165,000枚

※公職選挙法の公然たる差別。

 党公認じゃないと、候補者の条件がどうして悪くなるのか?

 民主的でない! 悪法だ! が、愚痴ってる時間はない。

 

 残り11日間で、この差別にも討ち勝つしかない!



 衆議院北海道五区補選への取り組みについて市民の総括(成果と課題

 2016/05/20 14:00~ 各団体との総括会議

 2016/06/02 18:30~ 市民の会・市民の風合同会議(市民会館1号会議室) ※下記「成果と課題」文書

 Ⅰ 選挙では勝てなかったが、戦いでは負けなかった。 

・2015年9月に強行可決された安保法制の廃止と立憲主義の回復、安倍政権の暴走を止めることをめざして、同 年11 月、衆議院北海道五区補欠選挙において市民と野党の共闘による統一候補を立てて勝利するために「戦争させない北海道をつくる市民の会」を立ち上げた。

・五区の各地で開かれた市民集会でも安保法制強行可決と安倍政権の暴走に対する怒りと、五区補選での統一候補擁立への期待が高まっていった。わずか一ヶ月で集まった千人以上の賛同人の思いを受けて、フリーソーシャルワ ーカーの池田まきさんに統一候補としての出馬要請をした。

・新党大地(鈴木宗男氏)の動きにひっぱられる民主党が候補統一のための共闘協議のテーブルになかなかつかなかったが、12月19日、池田まきさんは市民の会と民主党からの出馬要請を受諾した。

・すでに立候補者(橋本美香さん)を立てている共産党と、すぐにでも池田さんの選挙に向けて動き出したい民主党は、どちらもそれぞれの党内事情といろいろな思惑から、なかなか正式な協議のテーブルにつこうとしない中、 ふたつの政党の間に市民が入って共闘協議をすすめ、市民自身が政治活動・選挙運動を担うための政治団体として「市民の風・北海道」を設立した。

・最大の難問であった当選後の所属問題で両党の共闘協議がなかなか進まず、時間がどんどん過ぎていく中、民主党・共産党に(特に地元五区の両党支部に)粘り強く働きかけたこと、あわせて多くの市民が政党へ直接働きかけ た結果、四者(市民・民主・共産・池田)による共闘協定を結ぶことが出来、2月19日画期的・歴史的な野党共闘を成立させるにいたった。

 

・選挙本番まで残り二ヶ月余りという時間が限られている中であったが、市民と野党が一緒になって池田まきさんを当選させるために、選挙戦を全力で戦った。

・池田さんを当選させるために共闘した全ての野党(民進党、共産党、社民党、市民ネットなど)と様々な市民団体・ 労働団体による「合同選対会議」を開催して、「運動・政策・戦略・情報の共有」をはかりながら連携し、それぞれ が選挙対策体制を取って、それぞれのやり方で選挙活動に取り組んだ。

・特に市民による自主的自発的な様々な選挙活動(集会、ポスティング、街宣、電話かけ、SNS による発信など) は、一定の「盛り上げ」と「賑やかし」を作ることで間違いなく市民による「風」を吹かすことが出来た。

・また「市民の風」の活動に呼応してSEALDsなど全国からの支援・応援の動きもあった。

・残念ながら、選挙結果では自公候補に一万票余の差で及ばず、勝利することはかなわなかった。

・しかし、選挙当初の自公候補の圧勝・楽勝ムードに冷や水を浴びせ、肝を冷やさせた(本気にさせた?)。

・この五区補選で圧勝・楽勝して、衆参同時選挙に持ち込み、改憲のための三分の二の議席を取ろうという安倍政権の目論見(シナリオ)に、大きな打撃を与えたことは間違いない。

・今回の五区補選で、市民が中心となって動いたことによって統一候補を擁立し、市民と野党との共闘体制を作る ことが出来たこと、そして多くの市民が具体的な選挙活動に主体的・積極的に参加し、野党と一緒になって選挙を 戦うことが出来たということは、日本の民主主義の歴史において画期的・歴史的な取り組みであり、今後「北海道 モデル」として日本の選挙における取り組み方のひとつの典型となるであろう。 

 

Ⅱ しかし成果として選挙では勝つことは出来なかった。  

・五区の投票結果から見ると、選挙後半から危機感を強めた和田側はあらゆる手段(ドブ板と締め付け)を使っ て組織票を固めるとともに、厚別 江別などの都市部でも一定の支持を広げて、前回までの裏に上積みをした。

・本来自公候補が強い千歳市・恵庭市で、今日得票数を減らしたり、投票率を下げているのは、安保法制の影響が あったのではないかと思われるが、そのお批判票を一票を取り込むことは出来なかった。

・一方の池田側は、前回の衆議院選挙での民進党・共産党のほぼ合計の得票数を獲得したものの、僅かに下回った。 

・出口調査では民進党・共産党支若者の大手の裏を固めたと言われるが、野党支持者そのものの数が減っているため、結果的には1+1=2というより0.9-0.9=1.8+a (無党派層)というような結果となったのではないか。

・年代や性別の投票動向(出口調査による)から見ると、高年齢層よりも若い世代、男性よりも女性からの支持が高くならなかった。 

・無党派層の7割の支持を獲得したことは市民の選挙スタイルが無党派に一定程度受け入れらたことの現れである。 反安保・反安倍の層だけでなく福祉子育て支援政策に共感する層の支持を広げたと思われるが、全体的な投票率が上がらなかったために特に都市部での票が伸びなかった。 

 

Ⅲ なぜ選挙では勝てなかったのか? 

 ① 4野党共闘の形成に時間(月日)がかかりすぎた。

・12月19日の池田さんの立候補表明から市民が中心となって野党共闘と候補の統一を呼びかけたが、政党間の思わくや事情などから協議がスムーズに進まず、2月19日の野党共闘成立まで二ヶ月もかかってしまった。

・この時点で投票日まで二ヶ月しかなく、選挙で市民と野党が一緒に戦う体制をしっかりと作れなかった。

・この間に市民や市民団体の側での動きに「ズレときしみ」が生じ、その補正に時間がかかった。

 

②市民による選挙活動と政党による選挙活動がうまくかみ合わなかった。

・統一された合同選対を形成することができず、それぞれが勝手連的に選挙活動に取り組むことになった。

・「運動と政策」の共有は一定程度はかられたが、「戦略と情報」の共有が不十分であった。

・無所属候補ということで民進党の側の組織的な動き(運動)に難しさがあった。

・市民や市民団体どうしの選挙活動も、それぞれバラバラで、効果的な連動をはかることが難しかった。

 

③市民による選挙活動が、五区の有権者の投票行動とうまくかみ合わなかった。

・市民による選挙活動(集会、ポスティング、街宣、電話かけ、SNS による発信など)は、一定の「盛り上げ」と 「賑やかし」を作ることで間違いなく市民による「風」を吹かすことが出来たが、それが五区の投票率を上げるような盛り上がりにまで必ずしも結びつかなかった。

・シールアンケートやチラシの手渡しによる五区の有権者との直接対話の工夫もしたが、有権者の確実な投票行動 につながるような選挙活動がうまくつくれなかった。

・「市民の風」の活動に呼応してSEALDsなど全国からの支援・応援の動きもあったが、本格化したのが「告示後」 となってしまい、公職選挙法による活動の制限や無所属候補であるが故の様々なハンデキャップがあった。

・保守支持層からの票の獲得のためにウイングを広げようとしたが経済界や宗教界などへのアプローチが不足した。

・そもそも選挙に行こうとしない関心がない「無投票層・無関心層」を動かすことが難しかった。

 

④熊本地震後の影響は無視できなかった。 .. 

・雰囲気もしだいに盛り上がって、全国のマスコミも五区に集中してきた時に熊本地震が発生した。

・以後メディアの報道も熊本地震の方に集中し、盛り上がっていた補選への関心も低下していった。

・地震による不安感が、安定をもとめる心情によって政権側への支持に回った可能性がある。

・地震後の状況に、こちら側からのきちんとした対処や対応の動きを示すことが出来なかった。

 

Ⅳ この選挙で得ることが出来た成果と課題はなにか? 

・なによりも今回の選挙において、市民が中心となった取り組みによって市民と野党による共闘と統一候補が実現 することが出来たということ、さらに、これだけの多くの市民が本気になって具体的な選挙活動(集会・ポスティ ング・街宣、電話かけ・SNSなど)に主体的に参加し体験したということは、数字では現すことが出来ない画期的 かつ歴史的な出来事であり成果であった。

・市民として組織だった活動の取り組みは十分ではなかったが、市民一人ひとりが主体的に、自由さ・アマチュア らしさを発揮しながら、出来る事を出来る時に、やりたいやり方でやるというスタイルはプラスに評価できるので はないか。

・選挙にかかわった多くの人が、選挙の勝利がかなわなかったことは悔しい無念であるとしつつも、具他的な選挙活動にかかわったこと自体は初めての経験で「楽しかった」「面白かった」「わくわくした」「またやりたい」とポジ ティヴにとらえている。これは今後の市民が選挙に取り組む活動の継続の上で非常に大きな財産となるだろう。

・今回の選挙で、市民と野党が共闘することによってそれぞれが得ることが出来たものは少なくない。これらの成果を、これからの選挙に私たちがどのように生かしていくのかが最大の課題であるように思われる。  

「市民の風・北海道」、「市民の会」の今後の取組みについて 

(1) 「市民の風・北海道」について 

 ① 「市民の風・北海道」が求める政策については、「安保法制の廃止」、「立憲主義の回復」とともに、野党各党と合意できる政策課題の  

  検討を開始します。 

 ②「市民の風・北海道」の事務局体制の整備・拡充をおこないます。 

(2) 「市民の風・北海道」と「戦争させない北海道をつくる市民の会」の今後の在り方について、参議院選挙後に「市民の会」と「市民の 

 風」を統合する方向で考えたい。

 ① 「戦争させない北海道をつくる市民の会」については、多くの賛同人を得て統一候補擁立に成果をあげましたか、実体のある会員制組織

  とはなっていない問題点がありましたが、賛同人とともに5区補選でも大きな役割を果たしました。参議院選挙後には「市民の会」と

  「市民の風」を統合して新たな組織とする方向で考えています。 

  「賛同人」の方々には「市民の風・北海道」に加入していただくようお勧めします。

 ② 「会」と「風」統合する新たな組織と「市民の風」を政治団体のまま残すかどうかとの関係については今後の検討課題とします。 

 

(3) 次の参議院議員選挙については、安保法制の廃止と立憲主義の回復をめざす野党議員を応援します 

 ① 今回の参議院議員選挙の北海道選挙区の定数3議席のうち最低でも2議席を安保関連法(戦争法)の廃止と立憲主義の回復をめざす野党議

  員で獲得するために全力を尽くします。

 ② 北海道地方区で定数3議席のうち最低でも2議席を確保するための政党間の協議を求めます。

 ③「選挙に行って、野党に投票!(与党に入れない!)」キャンペーンによって、投票率の向上と野党票の拡 大をめざします。

 ④ 比例区選挙については、どのように関われるかを検討しながら、政策が一致する政党、候補者を推薦・応援します。 

 

(4) 次の衆議院議員選挙については、北海道の12の小選挙区の候補者の一本化を働きかけます。市民の風としては、12 の選挙駆で志を同じくする市民組織ができることを期待し、協力・連携します。 

 

(5)5区で候補者が一本化された結果、池田まきさんが立候補することに決まった場合、池田まきさんの政治活動を引き続き支持し、国政の場に送り出すために応援します. 

 ① 今後の所属会派のいかんに関わらず、このたびの五区補選での共闘協定を順守していただくようにお願いしていきます。

 ② 池田まきさんには是非とも国政の場で活躍してもらうために、全面的に応援していきます。 

 

(6) 5月31日に民進党と共産党に4項目の要請をしましたので、その実現に努力します。 

 ① 参議院北海道選挙区につきましては、3議席中最低でも2議席以上を確保するための両党の協議を要請します。

  比例代表選挙につきましては、安保法制廃止、立憲主義の回復、憲法改正反対の野党が勝利するための努力をお願いします。

 ② 衆議院小選挙区選挙につきましては、北海道の 12 の選挙区すべてで勝利を収めるための野党共闘と統一候補樹立のための協議を要請し

     ます。 比例区選挙につきましては、野党共闘の力を発揮し、安保法制廃止、立憲主義の回復、憲法改正反対の野党が勝利するための努力

     をお願いします。

 ③ 参議院議員選挙、衆議院議員選挙での安保法制廃止、立憲主義の回復、憲法改正反対の政党と議員を当選させるために、関係政党と労働

     組合、市民団体の連携を増進するための場の設置についてご協力をお願いします。

 ④ 当会と致しましては、安保法制廃止、立憲主義の回復、憲法改正反対の三点を共闘の一致事項として考 えていますが、可能であれば合

    意できる共通政策の幅を広げたいと考えています。つきましては、個別 に政党、候補予定者との協議を行いたいと考えますのでご理解の

    ほどよろしくお願い申しあげます。   

【マスメディアの事前分析】

◇4/18(日)各社報道

 

【道新】「和田氏、池田氏譲らず、激しく競り合っている」

    和田-自民の8割超、公明の7割超、無党派4割近く、30代、40代、50代で池田上 

    回り、厚別で上回り、千歳・恵庭でリード

    池田-民進の約9割、共産のほぼ全て、無党派層5割、60台と70代以上で和田を上

    回り、北広島、石狩で先行

【共同】「池田と和田が横一線で並んでいる」態度未定層は2割超

     和田-自民、公明の8割以上、無党派の2割未満

     池田-民主、共産の8割、無党派の5割

【読売】「二氏横一線」態度未定は2割未満

     和田-自民9割近く、公明の8割以上、無党派の2割近く

     池田-民進支持層ほぼ固め、共産の8割、無党派の5割近く

【日経】「自民やや優勢」「野党、無党派層浸透に課題、態度未定約3割の動向が勝敗を左

    右」

    和田-内閣支持層37%の7割強、女性で優位、20代、30代の支持は和田に。千歳

    でリード、厚別区で優位、自民の8割、年代ではほとんどの年齢層で池田を上回る。

    自民幹部「いったん追いつかれたが、また離した」

    池田-内閣不支持層(47%くらい)の6割弱、男性で優位、民進の9割超、共産の多

    くで固めた

【朝日】「池田氏・和田氏競り合う」態度未定層は4割前後

     和田-自民、公明支持層をまとめているが、無党派層で後れをとっている

       池田-民進、共産支持層の8割以上固め、無党派でも6割の支持

 


■2016年/第47回衆議院道5区選出議員補欠選挙 告示日:2016/4/12(火) 投・開票日:2016/4/24(日) ▶北海道選挙管理委員会事務局 

ダウンロード
市区町村別候補者別得票数.xls
Microsoft Excel 33.5 KB
ダウンロード
市区町村別投票数.xls
Microsoft Excel 31.5 KB
ダウンロード
期日前投票数.xls
Microsoft Excel 26.0 KB



【参 考】 東洋経済 ONLINE 2016/04/26 ジャーナリスト安積明子 

 https://toyokeizai.net/articles/-/115576

 

 勝者も敗者もいない「北海道5区補選」の衝撃 なぜ池田候補は追い上げることができたのか

 

「極めて厳しい戦いだったが。勝利を収めることができて良かった」

 

 菅義偉官房長官は4月25日午前の会見で、顔をこわばらせたまま北海道第5区補選での勝利の感想をこう述べた。確かに楽な戦いではなかった。世論調査によると、一時は野党統一候補に逆転されていたのである。

 

 結論から言えば、仮に熊本地震がなかったとすれば、自公候補が敗れていた可能性も高い。この補選が思わぬ苦戦となったことは、安倍晋三首相の専権事項である「衆議院解散・衆参同日選挙」の決断の背中を押すことになるかもしれない。


急伸した池田真紀候補

 まず、この北海道第5区補選の戦いの構図を振り返っておこう。

衆院議長、官房長官、外相、文科相などの要職を歴任した自民党の大物政治家である町村信孝氏が亡くなったのは昨年6月1日。本来なら同年10月に補選が行われるはずだったが、2014年衆院選の「1票の格差」訴訟が継続中だったため、実施が見送られ、ここまで引き延ばされた経緯がある。

 町村氏の後継となったのは次女の夫である和田義明氏。早稲田大学卒業後に三菱商事に勤務し、2014年12月から町村氏の秘書になった。そして対抗馬となったのがフリー・ソーシャルワーカーの池田真紀氏。野党共闘の最初の統一候補である。

  「誰もが一目で好きになる。オーラがある」。補選中の池田氏は、しばしばこのように言われていた。だが池田氏は最初から高く評価されていたわけではない。当初、町村氏の地盤を引き継いだ和田氏がダブルスコアで池田氏をリードしているとされていた。今年1月30日に行われた民主党(現民進党)の党大会では、明るく笑いあう西岡秀子氏(参院長崎選挙区)や水上美華氏(衆院北海道第12区)などの女性候補から少し離れ、うつむいてスマホをいじる池田氏の姿を見かけた。それほど目立つ存在ではなかったのだ。

そんな状態から、なぜ和田氏を猛追することができたのだろうか。

 

「中卒・シングルマザー・生活保護受給」

 池田氏は2014年の衆院選では北海道第2区から出馬したが、この時の第2区には自民党の吉川貴盛氏に加え、三井辨雄氏が後継指名した維新の党(当時)の松木謙公氏も出馬。これに不服の池田氏は一時出馬を辞退し、結局は3位で落選した。

 

 そんな池田氏が勢い付いてきたのは、「保育園落ちた日本死ね!!!」のブログが山尾志桜里衆院議員によって2月29日の予算委員会で紹介されて以降である。つまり、国会論戦において社会保障に注目が集まったことで、「中卒・シングルマザー・生活保護受給」という経歴の池田氏が脚光を浴びたのだ。

 

 その一方で和田氏は苦戦を強いられるようになった。そもそも弔い合戦は、必ずしも楽勝とは限らない。たとえば1996年の衆院選で、候補者が公示後に死亡した兵庫県第11区がその例だ。

 厚相を務めた戸井田三郎氏が投票日1週間前に死去したため、急きょ秘書で長男の徹氏が補充立候補した。三郎氏と同じ厚生族でともに平成研究会に所属していた橋本龍太郎首相(当時)が直々に11区に入って応援するなど、自民党は典型的な弔い合戦を展開した。

 しかし徹氏が獲得したのは6万4896票で、次点である新進党の五島壮氏に3711票差まで迫られている。しかも民主党の2万8303票も合わせると、野党の得票は自民党の票を上回っていた。

 

 和田氏の場合、町村姓を名乗らなかったために後継候補として認知されにくい面もあった。二階俊博総務会長などから「姓を変えた方がいい」と忠告も受けたほどだ。しかし和田氏は、「義父(町村氏)からは『政治信条を継いでほしい』と言われた」とこれを拒否。実際は和田氏の母親が姓を変えることに反対していたと言われている。

 さらに致命的だったのは後援会の構成。主要な支持者たちはすでに高齢に達しており、機動力を欠いていたことだ。それは、5区入りした清和会所属のある議員の言葉からもよくわかる。「後援会の名簿を見て驚いた。3000人しか名前がなかった。あれではうちの市議レベルだ。これまで“町村ブランド”だけで戦ってきたんだろうなあ」。

 自治相や北海道知事などを務めた父・金五氏の強い地盤を継いだ町村氏だが、2009年の衆院選で民主党の小林千代美氏に約3万票の差を付けられるなど、選挙に弱い面もあった。その翌年の小林氏側の選挙違反事件による衆院補選では、町村氏に世代交代を求める声もあがったほどだった。

さまざまな不安要因を抱える和田氏。選挙戦本番になると、いっそう劣勢を強いられた。

 

「負け戦」には首相が現れず

 安倍晋三首相は4月17日に第5区入りする予定だったが、見送られる可能性も出ていた。それには前例がある。自民党候補が負けた2014年の滋賀県知事選では、「負け戦に首相を応援させるわけにはいかない」として、安倍首相の滋賀入りは見送られている。

 そうしたムードを一変させたのが、4月14日夜に勃発した熊本地震だった。地震への対応ということでは、5年前の民主党政権の失態を多くの有権者が覚えている。危機の際には与党を支持する心情も働く。

 熊本地震後、情勢は逆転した。その週末の北海道新聞による調査では、和田氏は池田氏を9ポイントもリードするようになったのだ。もともと野党寄りと見られている北海道新聞で、しかも投票までの1週間で再度逆転するには難しい数字が出たことは、池田氏には非常に厳しかった。

結果として和田氏が13万5842票を獲得し、12万3517票の池田氏に勝利した。その差は1万2325票になる。

 

 これを2014年の衆院選と比較してみよう。

 2014年の衆院選で町村氏が得たのは13万1394票。民主党と共産党の獲得票の合計は12万6498票だ。投票率で調整すると、今回の補選で和田氏は2014年の町村氏に比べて6334票増やし、池田氏は2014年の民主党と共産党の合計票数から1266票減らしたことになる。

 和田氏の票を増やした要因となったのが「新党大地の票」だ。新党大地は第5区で最大3万5000票持つと自認している。これまで新党大地が北海道全域で獲得した最大票数を2004年の参院選に無所属で出馬した鈴木宗男氏が獲得した48万5382票、現在の新党大地の票は21万票とすれば、第5区での新党大地の票数は約1万5000票と推定できる。この数字は和田氏と池田氏の得票差を上回るのだ。

 

 とすれば、補選での勝利の決め手になったのは鈴木氏ということになる。昨年12月に安倍首相に官邸で宗男氏に面会し、長女の貴子氏の自民党入りを決めた成果が早々と出たわけだ。

 実際に北海道テレビによる24日夜の開票中継で、鈴木氏は極めて上機嫌な様子で自民党議員らと最前列に座っていた。「宿敵」ともいえる中川郁子衆院議員とも、時折ほほ笑みあう余裕すら見せた。野党側から与党側に移って最初の選挙は、鈴木氏にとってある意味で賭けだった。ひとまず出だしが好調であることに、鈴木氏は満足したに違いない。

 

北海道第5区の補選には、敗者はいない

一方で選挙に負けた野党側も、事実上の勝利宣言をしている。

「選挙結果は残念だけど、当初圧倒的に自民党有利というところを横一線まで押し上げてかなりのところまで自民公明を追いつめた。野党共闘の力が発揮されたと思う。前向きに受け止めている」。これは投開票後に共産党の小池晃書記局長が述べた言葉だ。野党共闘を次期参院選に繋げようという意欲にあふれている。

 要するにこの北海道第5区の補選には、敗者はいないということになる。まるで負けを認めた段階で、戦いの舞台から蹴り落とされてしまう、という思いもあるのだろう。反対にいえば、確固たる勝者もいないのだ。そんな不思議さを漂わせたまま、7月には参院選が行われる。冒頭にも記したが、安倍首相は衆参同日選というカードを切りたくなるのではないだろうか。

 

■ 配布宣伝物

◇ 「市民の風・北海道」作成ビラ



◇ 戦争をさせない
1000人委員会作成ビラ

◇ 安保関連法に反対するママの会@北海道のビラ

「ほっかい新報」

2016年4月号外



自民党候補
候補者用法定ビラ-1

選挙期間中に配布された
怪文書



ドメイン:siminnokaze-hokkaido.net

管理運営:「戦争させない市民の風・北海道」事務局

事務局mail:kaze-h1@googlegroups.com

郵送先:札幌市北区北8条西3丁目 札幌エルプラザ2F 
    レターケースNO.26

(情報の提供や掲載情報の訂正などについてお知らせください)

 

X