◇ 困窮者への「生活費/住居支援」





 

 

マネー編 コロナ禍でどうなる住宅支出 収入減直撃/在宅勤務影響は 毎日新聞202076日 東京朝刊

 <くらしナビ ライフスタイル>

 生涯で住宅にかかるお金は、教育、老後と並ぶ「3大支出」の一つ。家を買うか、借りるかは多くの人が悩むテーマだ。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、収入が急減し住宅ローンの返済が厳しくなる家庭が増えたり、外出自粛で在宅勤務が定着したりしたことから、住まいのあり方を見直す機運もある。改めて「持ち家と賃貸」について考える。

 持ち家か賃貸か

 「持ち家か賃貸か」は永遠の論争とされる。持ち家派は「家賃を払い続けるより、ローンを返済していくほうが得」と考え、賃貸派は「将来は不透明で、長期のローン支払いはリスクが高い」とみる。

 家計負担という点から考えよう。賃貸住まいの人が、住宅ローンを組んで家を購入する場合、家賃を目安に毎月返済額を設定することが多い。だが、新たに固定資産税がかかり、マンションなら管理費や修繕積立金の負担があるため、一般に住宅費はかさむ。頭金の支払いで貯蓄が目減りし、子の教育資金など他の支出への手当ても課題になる。

 だが、将来、住宅ローンを完済すれば、住宅費の負担は一気に軽くなる。年金生活で住宅費の不安がなくなるメリットは大きい。

 一方、賃貸では、住宅費は家賃だけに限定されるため比較的軽く、定期的な修繕費用を手当てする必要もない。だが、家賃は老後もずっと払い続けなければならない。

 ただし、ライフスタイルや家計の状況が変わっても住み替えで対応しやすい面はある。長期ローンを組むと、その間に、失業や病気などで返済が難しくなったり、地震や水害で被災したりする可能性もあるが、賃貸ならこうしたリスクを避けることができる。

 持ち家と賃貸には一長一短があり、価値観や家計状況から合理的に判断すればいいということだろう。

 若者は持ち家志向

 日本では長らく持ち家派が優勢だった。政府が持ち家政策を進めたことや、バブル期までは地価上昇が続く「土地神話」があり、買ったほうが得だったからだ。1970年代には、ライフステージにあわせ、社宅、借家、分譲マンション、戸建てへと住み替えていく「住宅すごろく」という言葉も生まれた。総務省「住宅・土地統計調査」によると、2018年の持ち家率は61%でこの40年間ほぼ変わらない。

 だが、バブル崩壊後の地価下落を経験し、最近は「所有から利用へ」という消費の流れもあり、意識のうえでは持ち家へのこだわりは薄れた。国土交通省「住生活総合調査」で、今後に転居を考えている人のうち「持ち家に住み替えたい」という割合の変化をみると、持ち家住まいの人は03年の82%から18年は63%に、借家住まいの人は52%から36%に一貫して減ってきた。

 ところが、実際は、若い年代のファミリー層を中心に住宅購入熱が強い。総務省「家計調査(2人以上・勤労者世帯)」で年代別の持ち家率をみると、40代以上の持ち家率には約20年間、ほぼ変化はないが、29歳以下では02年の18%から19年は33%に、30代では48%から66%と大きく伸びた。ローンを抱える29歳以下の人の平均残高は02年の602万円から19年は1698万円に増えた。

 これは、住宅取得を後押しする環境ができたためだ。ローン金利は長年の金融緩和で歴史的低水準にあり、政府は経済対策として住宅ローン減税を拡充させてきた。銀行は企業の資金需要が伸び悩むなかで個人向け住宅ローンを積極化させ、その結果、貸出期間は長期化し「頭金ゼロ」融資も可能になった。若い世代は共働き世帯が多く、夫婦で返済する「ペアローン」を組みやすい。「負担は軽く、ローンは怖くない」という意識がマイホーム取得に駆り立てている。

 コロナショックは、こうした「持ち家」志向に影響するだろうか。二つの変化が注目される。

 ローンのリスク

 住宅ローンは、休業や失業で収入が急減して返済困難になった人が増えた。固定金利ローン「フラット35」を扱う住宅金融支援機構には、コロナ関連の相談が5月末までに2265件あり、今後のボーナス時期を迎え、さらに増える見通し。

 住宅ローンは3~6カ月滞納すると一括返済を求められ、返済できないと任意売却や競売になる。「怖くない」はずだった住宅ローンのリスクが今、顕在化しているわけだ。

 企業で導入が進んだテレワークの行方もカギとなりそうだ。

 若い共働き世帯は、子育てのため職住接近を好み、都心物件の人気が高かった。そこで犠牲になったのが住宅の広さだ。不動産経済研究所によると、首都圏の新築マンションは、このところ価格が上昇する一方で、専有面積(中央値)は19年で70・25平方メートルと10年前より2・13平方メートル狭くなった。

 だが、日立製作所が21年度から在宅勤務を標準とする制度を導入するなど、テレワークを定着させる動きもある。住む場所の自由度が高まり、ステイホーム型の生活スタイルが定着すると、自宅の狭さが気になりやすい。これが、長期ローンを前提としてきた「持ち家志向」にどう影響するかが注目されそうだ。【渡辺精一】


社説

コロナと非正規の失業 生活・住居の支援を確実に

毎日新聞202077日 東京朝刊

 新型コロナウイルスの感染拡大で、雇用情勢の悪化に歯止めがかからない。

 5月の完全失業率は2・9%で3カ月連続の悪化となった。新型コロナに起因した解雇・雇い止めは、少なくとも3万人を超えると見込まれる。半数以上は、非正規労働者だ。

 企業はまず、雇用を守ることに力を尽くすべきだ。従業員を休業させた場合に、国から手当の補助が出る雇用調整助成金は非正規も対象になっている。手続きに時間がかかるため利用に二の足を踏んでいる中小企業があるが、制度を活用し、従業員を安易に解雇しないようにしてほしい。

 同時に、失業した人に対し、セーフティーネットが有効に機能するようにしなければならない。

 失業手当は、要件を満たして受給する人が失業者の2割程度にとどまるという。特に非正規労働者は貯蓄も少ない傾向にあり、失業がすぐに生活の困窮につながりかねない。失業と同時に会社の寮を出るよう求められれば、住まいも失う。

 政府は、失業者らに対する生活資金の緊急貸し付けや、家賃の支払いを補助する給付金を補正予算で拡充している。

 必要な情報がワンストップで受けられるよう、自治体は相談体制を強化してほしい。景気回復が遅れれば、支給額の引き上げや期間延長の検討も必要になる。

 民間団体には、仕事を失った高齢者からの相談も目立つという。

 低年金、無年金の人は生活保護の利用も選択肢になるだろう。厚生労働省は新型コロナ対策で受給要件を緩和した。必要な人が適切に保護を受けられるよう、政府は自治体に促す必要がある。

 再就職に向けた支援も大切だ。失業手当を受けられない人を対象に給付金とセットで職業訓練が受けられる制度があるが、実践的でないと指摘されている。企業のニーズに合うよう、訓練内容を改善すべきだ。

 緊急事態宣言が解除されて1カ月以上がたつが、感染対策のため経済活動は元の水準に戻っていない。景気の先行きに対する企業の見方も厳しい。失業者の増加を抑え、生活に困窮した人を息長く支援する必要がある。

 

 ◇ 賃金の支払の確保等に関する法律

小林です (2020/6/11)

 

昨日の「新聞読んで語ろう会」で話題になった、破産時の従業員への解雇予告手当や賃金などを支払うを支払う独立行政法人の仕組みがあることについて調べましたのでお知らせします。「賃金の支払の確保等に関する法律」に基づくもので、厚労省の独立行政法人労働者健康福祉機構が取扱っている制度です。
賃金については,従業員の生活を保護する観点から,法律の要件はありますが,未払い賃金については,未払い額(額面)の約8割が独立行政法人労働者健康福祉機構から立て替えて支払われる制度です。
ただし,支払までには多少の手続きが必要ですので,実際に従業員に立替金が支払われるまでには,3か月から半年程度かかることがあります。
ただし、この未払賃金の立替払制度は、倒産企業が清算手続きを行っていることが前提になります。
https://www.johas.go.jp/chinginengo/miharai/tabid/417/Default.aspx


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